日光山東光坊（にっこうさんとうこうぼう）
◎徳川家康が成ったとされる天狗日本。
◎天狗経にうたわれる日本48天狗の7番目。
◎狗賓堂の天狗番付における序列＝東の前頭二段目1枚目。（※西の前頭二段目1枚目は「横川覚海坊」）
神君徳川家康が死んだあと天狗になり、この山を支配するようになったといわれています。しかしもともとこの山には日光坊という大天狗がいて （…二荒山が日光山と改名されたのは家康が葬られたのが契機だからおかしな話だと思いますが）、付近の山々にも力のある大天狗がゴロゴロしていました。妙義山に移ったもともとの日光坊に変わって東光坊（＝家康公）が天狗の元締めとなったんですが、新参の天狗だったので先輩の諸天狗さまたちにバカにされちゃって、それはそれは大変だったそうです。日光の奥の天狗たちによる騒ぎが頻繁に起こったのだそうです。
家康が死んで200年後、11代将軍の徳川家斉が日光参拝に来ることになったとき、日光社参奉行・水野出羽守は古峰ヶ原の隼人坊天狗の名で、剣ヶ峰に「将軍が来る間、すべての天狗はその間は鞍馬山・愛宕山・秋葉山・英彦山等へ移れ」という高札を建てたといいます。（天狗たちは隼人坊の言うことになら聞いたそうです）。人間としては最高の為政者で、天狗としても48天狗のひとりでもあるのに 、家康様ちょっと哀れ。
でもまぁ、家康様には東照大権現として常に諸々起こる江戸の町を鎮護する役目があったから、そっちの方で忙しくて天狗の仲間のことまで手が回らなかったんでしょうね。
＜日本八大天狗＞
愛宕山太郎坊／比良山次郎坊／飯綱三郎／英彦山豊前坊／
大峰前鬼／白峯相模坊／大山伯耆坊／鞍馬僧正坊
＜日本四十八天狗＞
愛宕山太郎坊／比良山次郎坊／鞍馬山僧正坊／比叡山法性坊／横川覚海坊／富士山陀羅尼坊／
日光山東光坊／羽黒山金光坊／妙義山日光坊／常陸筑波法印／彦山豊前坊／大原住吉剣坊／
越中立山繩垂坊／天岩船檀特坊／奈良大久杉坂坊／熊野大峯菊丈坊／吉野皆杉小桜坊／那智滝本前鬼坊／
高野山高林坊／新田山佐徳坊／鬼界ヶ島伽藍坊／板遠山頓鈍坊／宰府高垣高林坊／長門普明鬼宿坊／
都度沖普賢坊／黒眷属金比羅坊／日向尾畑新蔵坊／醫王島光徳坊／紫黄山利久坊／伯耆大山清光坊／
石鎚山法起坊／如意ヶ嶽薬師坊／天満山三萬坊／厳島三鬼坊／白髪山高積坊／秋葉山三尺坊／
高雄内供奉／飯綱三郎／上野妙義坊／肥後阿闍梨／葛城高天坊／白峯相模坊／
高良山筑後坊／象頭山金剛坊／笠置山大僧正／妙高山足立坊／御嶽山六石坊／浅間ヶ嶽金平坊