家康グルメ
舘山寺サゴーロイヤルホテルの「葵出世御膳」
【食前酒】 梅酒
お品書き
【八寸】 家康珍味
(浜納豆・茄子田楽・たたみ鰯・小魚佃煮・鯛のすり身うずら巻き)
【お造り】 開運箱盛り
(鯛・鮪・かんぱち・鮭・赤座海老・生しらす・さざえ・いか)
【焼物】 浜名湖鰻の蒲焼き
【鍋物】 甘鯛と旬野菜のしゃぶしゃぶ
【煮物】 特選ポーク柔らか煮 青梗菜と茄子添え
【温物】 浜名湖クラムチャウダーのパイ包み焼き
【中皿】 ロブスターの具足煮
【合肴】 国産牛の朴葉包み焼き 八丁味噌仕立て
【油物】 静岡茶そば巻き鰻射込み揚げ
【食事】 麦飯とろろ汁
【お椀】 あつめ汁(八丁味噌)
【香の物】 三点盛り
【水菓子】 安倍川餅、旬の果物
(お一人様)13,000円(一泊二食)(サ込み・税別)
※2015年(平成26年)4月1日~2016年(平成27年)3月31までの限定プラン
※予約は15名以上から。休前日は4000円(税別)増し
※宿泊なし食事のみのプランはありません
サゴーは2015年の「家康公顕彰400年祭」に力を入れていて、2015年4月1日に登場させたのが「葵出世御膳」と「竹千代御膳」。
平成26年限定の豪華なコース
プラン説明には「家康公の「健康」・「長寿」を支えた質素な食材を開運料理として華やかに組み込みました」と記されており、各メニューはきちんと考えられて用意されています。
●「麦飯とろろ汁」…家康は質素倹約と健康維持のため、麦飯しか食べなかったそうです。主君を愛する家来が麦飯にこっそり白米を混ぜようとしたら激怒したという逸話も残っているほどです。食べやすくするため、消化酵素アミラーゼの豊富なとろろを掛けて食することも多かったそうです。とろろ飯は戦国時代から駿河国丸子宿で知られた名物。家康がとろろを好んだのは滋養強壮に優れているから。 ●「興津鯛(甘鯛)」…興津鯛とは静岡でのアカアマダイの呼び名。『甲子夜話』(=11代将軍の頃に書かれた本)によると、駿府で仕えていた奥女中が宿下がり(=里帰り)をしたあと、お土産に甘鯛の一夜干しを献上しました。これを大御所がえらく気に入り、「興津の局が持ってきた鯛だから興津鯛と名付けよ」と言ったという。(興津とは旧清水市の地名です。彼女はそこの出身だったのでしょう)。由来からして「干物にされた甘鯛」のことを「興津鯛」とするのが正式です。でも甘鯛は、刺身でも煮ても揚げても美味しいそうで、サゴーではしゃぶしゃぶで振る舞います。赤甘鯛が本来の興津鯛ですけど、希少な白甘鯛は興津鯛の中の絶品とされます。今では興津沖では甘鯛はあまり獲れず、浜名湖沖で獲れる甘鯛が興津鯛の大半を占めます。おかしなことに、京都や静岡では甘鯛は高級魚・上品な魚の最上格ですが、これを「ひどくまずい魚」とする地方もあります。(関東とか四国・淡路など) ●「あつめ汁(八丁味噌仕立て)」…岡崎生まれの家康公は八丁味噌が大好きで、旬の野菜具だくさんの味噌汁を好んだそうです。「集め汁」という語句は戦国時代の書物にたびたび現れ、各地方でさまざまな種類があるのだとか。「邪気を払う」として5月5日に食す風習もあるそうです。出世飯にピッタリです。ちなみに「集汁」と書いて「あつめ汁」なのですけど、「熱汁」と書くと「あつへ汁」と読むそうです。 ●「なす」…好物のひとつとされ、献上された折戸なすのお浸しは家康公がこよなく愛したと言われています。 ●「安倍川餅」…安倍川の茶店で出てきたきな粉団子を気に入り「安倍川餅」と名付けたと言われています。 ●「八丁味噌」…岡崎生まれの家康公は、八丁味噌を大変好みました。また、八丁味噌水分含有量が一般の味噌より少なく日持ちするため、戦に出向く武士にとって絶好の保存食でありました。 ●「佃煮・鰯」…「本能寺の変」の後、家康公は命からがら岡崎に帰還。その際、摂津(大坂)の佃村の漁民から道中食として小魚煮をもらった家康公は、それに大いに感謝し、後に「佃煮」という名前で全国に広がりました。 ●「うずらの卵」…鷹狩りで得た獲物として、家康公は、鶴や鶉などのとり肉を食べていたといいます。当時はまだ、鶏の卵を食べる習慣はなく、「卵」といえば、一般にはうずらの卵を指していました。 ●「浜納豆」…毎年献上を受けていた家康公が、時期近くになると「浜名の納豆はまだか?」と側近に漏らしていたことから、「浜名納豆」と呼ばれるようになったという逸話があります。
効能書き
…「出世葵」と名前が付いているように、決して浜松での家康の食事を再現したものではなく、浜松の食材をアピールしたものでもなく、「岡崎」→「駿府」→「岡崎」→「浜松」→「駿府」→「江戸」→「伏見」→「江戸」→「駿府」と居を移るたびに出世していった家康の生涯をなぞるべく、「岡崎」と「浜松」と「静岡」にまつわるものをバランス良く散りばめることに意を尽くしたような献立です。
出世する御膳
「浜松」の場合、「うなぎ」と「あさり」と「浜納豆」がそれなのですが、(浜納豆はともかく)うなぎとあさりには家康にまつわる歴史的故事が一切無いことが惜しい。史書を読めば浜松時代の家康には「茶漬け」と「みそ」にまつわる逸話が目立つのですが、あくまでそれらは取り入れず(地味だから)、「地産地消」と「出世っぽさ」を目立たせるのが「サゴーらしさ」ということでしょう。
※「家康には鰻にまつわるエピソードは無い」と書いてしまいましたけど、鰻ならぬ奈良漬けには逸話があるそうです。(大坂冬の陣の時に家康が奈良漬けを激賞し、江戸に奈良漬け屋を呼び寄せて商売させたという)。大坂攻めの頃の家康は駿府に住んでましたから「江戸に」というのは変な話なのですけど、「奈良漬け
」といえば「鰻と相性がいい」として知られた食べ物。その奈良漬けをこのメニューに加えれば完璧のような気がしますね。(付いてないんですけど)
舘山寺サゴーロイヤルホテルの「竹千代膳」
<お品書き>
【食前酒】 梅酒
【八寸】 家康珍味(浜納豆・茄子田楽・小魚佃煮)
【お造り】 開運舟盛り(鯛・鮪・かんぱち・生しらす・サーモン)
【焼物】 鰻の蒲焼き
【鍋物】 鴨の八丁味噌漬け焼き
【蒸物】 甘鯛かぶら蒸し
【煮物】 ポーク柔らか煮 青梗菜添え
【油物】 遠州かき揚げ(桜海老・浅利・ちりめん・きのこ)
【中皿】 鯛入り串焼き
【合肴】 いろいろ野菜のシャキシャキサラダ(浜名湖ドレッシング)
【食事】 麦飯とろろ汁
【お椀】 浜名湖海苔となめこ赤出し
【香の物】 二点盛り
【水菓子】 掛川深蒸し茶ゼリー
(お一人様)11,000円(一泊二食)(サ込み・税別)
※2015年(平成26年)4月1日~2016年(平成27年)3月31までの限定プラン
※予約は15名以上から。休前日は4000円(税別)増し
※宿泊なし食事のみのプランはありません
浜名湖ロイヤルホテルの「葵御膳」(徳川家康公顕彰四百年祭記念宿泊プラン)
<お品書き>
【附出】 ほたるいかの酢味噌掛け
【吸物】 とろろ汁 焼き茄子 鰻蒲焼
【造り】 鯛に加えて三種
【八寸】 牛ロースステーキ、他
【煮物】 桜道明寺
【揚物】 鯛と穴子の天麩羅
【蒸物】 茄子豆腐
【食事】 五穀米
【汁】 八丁味噌
【漬物】 三種
【デザート】 季節の物
(お一人様)13,500円(一泊二食)(サ込み・税別)
※「部屋お任せ」で2~4名宿泊時
(いろいろな部屋タイプとそれに応じた料金があります)
※出世大名家康くんオリジナルおみやげ付き(1部屋につき1つ)
※2015年(平成26年)4月1日~2016年(平成27年)3月31日までの平日限定プラン
※宿泊なし食事のみのプランはありません
…メニューに「鯛の天ぷら」を入れるとは、なかなか挑戦的なメニューです。(家康の死因は一説に「鯛の天ぷらを食べすぎたこと」)
ホテルコンコルド浜松の「出世大名膳 家康くん」
<お品書き>
【先付け】 胡麻豆腐、海老生姜煮、蛇の目胡瓜、酢味噌、金箔
【向付け】 鯛昆布締め、濱納豆、鮪磯辺巻き、甘海老、妻一式
【椀】 山葵薄葛仕立て、甘鯛の羹蒸し、短冊人参・大根、青身
【八寸箱盛り】
(上段)
・牛の「蘇」ライスペーパー包み、繊胡瓜、大根、茗荷、チーズ
山葵菜、プチトマト、胡麻ドレッシング
・海老芋饅頭(海老そぼろ)、姫青梗菜、短冊人参、山葵餡
・家康好物茄子と和牛の八丁味噌掛け、パプリカ、サラダセロリ
(下段)
・秋刀魚柚子庵焼き(透かし木の葉)、浜松名物紫蘇ピーナッツ、はじかみ
・精進天麩羅、抹茶塩、酢橘、小茄子・姫人参・南京・飾り椎茸・甘長獅子唐
・信田巻き寿し、甘焼き玉子、穴子寿し、甘酢生姜、山葵漬け
【食事】 木ノ子雑煮、かくや香の物
【甘味】 白玉団子入りフルーツあんみつ(白玉団子・つぶ餡・季節の果物・寒天)
浜北森林公園・レストランまつぼっくりの「出世街道家康御膳」